
多子優遇は嘘だった──3人育てても「同時扶養数」でリセットされる日本の矛盾
「うちの子は就職して、もう社会に貢献してるんだけどね。」
この一言が、今の日本の“多子世帯支援”の矛盾をすべて物語っています。
国は「多子世帯を支援します」と言いながら、実際の制度は
“多子優遇”ではなく、ただの「同時扶養数優遇」になっています。
■ 表向きは「多子世帯支援」。しかし中身は“同時扶養数優遇”
本来であれば、「3人育てた家庭」はずっと3人育てた家庭です。
しかし制度はそう見ていません。見ているのは、
“今、扶養に何人入っているか”だけ。
だから、極端な話になりますが、 三つ子の家庭や、 年齢がほぼ同じ3兄弟だけが最大の恩恵を受けられる仕組みになっています。
しかし、多胎児なんて狙って産めるはずもありません。
それなのに、この“ほぼ偶然の条件”だけが優遇される……。
こんな制度で本当に少子化対策になるのか?と疑問しか残りません。
■ 3人育てても、上の子が就職した瞬間に「第1子扱い」に逆戻り
3人の子どもを必死に育て、ようやく上の子が就職した。それは本来、家庭として誇るべきことです。
しかし現実はこうです。
- 長男が就職 → 扶養から外れる
- 次男が「第1子扱い」にリセットされる
- 三男は「第2子扱い」に変更
つまり、“実際には3人育てたのに、制度上は2人家庭に降格する”ということです。
親が払ってきた教育費、時間、労力は消えていません。
なのに支援だけが消える。これはどう考えてもおかしい。
■ 本来なら「社会に出て納税している家庭」こそ最も評価されるべき
就職して、社会に出て、納税を始める。
これは国にとって、何よりの“貢献”です。
親はその子を育て、社会に送り出した。
それは国家にとってプラスでしかありません。
なのに制度は、 「就職=家庭が不利になる」 という完全に逆転した評価を下します。
努力した家庭ほど損をする──。
今の制度は、残念ながらそういう設計になっています。
■ 本気で少子化を止めるなら、「出生順固定」と「育てた人数の固定評価」が必要
本来あるべき姿はシンプルです。
- 何歳になっても第1子・第2子・第3子は変わらない
- 就職して扶養から外れても“育てた人数”の評価は残る
- 支援は「扶養人数」ではなく「育てた人数」で決める
- 年齢差や偶然で損をしない制度にする
こうしなければ、どれだけ支援制度を増やしても、
家庭は「よし、子どもをもう1人育てよう」とは思えないのです。
■ 結論:今の仕組みでは“子どもを増やす動機”は生まれない
少子化対策を本気でやるというなら、
国はまず“ケチくさい制度”を改めるべきです。
3人育てた家庭は一生「3人育てた家庭」であり、
その貢献は消えるものではありません。
この根本の考え方を変えない限り、
どれだけ制度を増やしても、出生率は上がらないでしょう。
