接戦で勝てない本当の理由|負けを生むのは“選手”じゃなくて“ベンチワークの欠陥”だった

接戦で勝てない本当の理由|負けを生むのは“選手”じゃなくて“ベンチワークの欠陥”だった

中学生バスケの試合を見ていると、
「練習はしているのに、なぜか接戦で勝ち切れないチーム」が本当に多いと感じます。
最近のうちのチームも、まさにその一つです。

ただ、僕はずっとこう思っています。
「接戦で負ける原因の多くは、子どもじゃなくて“ベンチワークのミス”だろう」と。


1.接戦で負ける試合に共通する“3つの光景”

最近の試合を振り返ると、負けたゲームの多くで、次の3つが共通していました。

  • ① 全員出場を優先して、試合の流れを自分で止めてしまう
  • ② コート上の5人ではなく、ベンチに下がった子に話しかけている
  • ③ タイムアウトで感情だけ話し、具体的な指示がない

特に印象に残っているのは、
「最初から全員を出すシナリオだけが頭にあって、コートの状況を見ていない」という場面です。

いい流れの時も、悪い流れの時も関係なく、
「そろそろこの子も出しておかないと」という感じで交代を入れる。
その瞬間、流れが途切れ、接戦が一気に相手側に傾いていきます。


2.「優しさ」が流れを殺してしまう瞬間

先生やコーチの中には、
「全員を試合に出してあげたい」という思いを強く持っている人もいます。
その気持ち自体は、親としてはよく分かります。

ただ、接戦の中でそれをやると、こうなります。

コーチの“優しさ” 実際に起きていること
「全員に出場機会をあげたい」 良い流れを自ら止めてしまう
「試合に出してあげないとかわいそう」 勝負どころでも交代し、主力のリズムが崩れる
「みんな経験させたい」 クランチタイムの緊張感が育たない

僕が一番違和感を覚えるのは、
「試合の流れよりも、自分の“全員出場プラン”を優先しているように見える瞬間」です。
その時点で、勝ち切るためのベンチワークにはなっていません。


3.コートの5人ではなく「ベンチの子」を見てしまう問題

もうひとつ、どうしても引っかかる場面があります。
それは、 プレーが続いている最中に、コーチがコートではなくベンチに下がった子に話しかけている光景です。

その瞬間、ベンチはこうなっています。

  • 誰がどこでマークを外しているか見えていない
  • 相手がどんなセットプレーを仕掛けているか見えていない
  • 自分たちのオフェンスがどこで詰まっているか分析できていない
  • だから、次のタイムアウトで“何を修正すべきか”が分からない

正直なところ、
「それなら、コートサイドに立っている意味はあるの?」
と感じてしまう瞬間もあります。


4.タイムアウトは「感情を語る場」じゃない

僕が一番強く問題だと思っているのが、タイムアウトの使い方です。

多くのタイムアウトがこんな感じになっていませんか?

  • 「もっと気持ちを出せ」
  • 「ちゃんと集中しろ」
  • 「やればできる」
  • 「切り替えていこう」

気持ちの話ばかりで、具体的な情報や指示がほとんどない。
これは、タイムアウトの本来の役割から見ると、かなり危険です。

本来のタイムアウト よくあるタイムアウト
・どこを修正するか明確に伝える
・次の1プレーの狙いを決める
・守備の形を変える or 絞る
・誰に打たせるかをはっきりさせる
・気持ちの話が中心
・抽象的な「頑張れ」で終わる
・誰が何を変えるかが分からない
・再開後も同じミスが続く

僕の本音はこうです。
「タイムアウト中に感情ばかり話している時点で、もう役割を果たしていない。」
タイムアウトは、感情を語る場ではなく、“情報”を渡す場だと思っています。

だからこそ、
「こうして・こうして・こうする。」
という、短くて具体的な指示だけで十分なんです。


5.ベンチワークも“練習しないと”上手くならない

先生やコーチは、選手に向かってこう言います。

  • 「ちゃんと指示を聞け」
  • 「集中しろ」
  • 「もっと考えてプレーしろ」

でも僕は、心の中でこう思っています。

「いや、ベンチワークも練習しないとできないでしょ?」

本来、ベンチワークにはこんな要素があります。

  • 試合の流れを読む力
  • 交代のタイミングを決める判断力
  • タイムアウトの目的を事前に決めておく力
  • 短く・具体的に指示を出す力
  • 勝負どころを見逃さない集中力

これらは、選手のスキルと同じく「技術」です。
技術なら、本当は指導者側も練習しないと身につかないはずです。


6.接戦で負けるのは「選手のせい」ではない

最近の試合を見ていて、僕はこう感じています。

「接戦で負ける試合の多くは、ベンチワークのミスで負けている。」

もちろん、子どものミスもあります。
シュートが入らない日もあるし、ターンオーバーが続くこともある。

でも、その流れをどう止めるか・どう立て直すかは、ベンチの仕事です。
そこに手が打てていないなら、負けのほとんどは「指導側の責任」だと僕は思っています。


7.「悔しさ」が育たない環境になっていないか?

最近、試合後の子どもたちの表情を見ていて、こんな違和感も感じています。

  • 負けても、あまり悔しそうに見えない
  • 「どうすればよかったか」を振り返る様子がない
  • 勝っても負けても、どこか“フラット”

これは、子どもが悪いわけではありません。
「悔しさが育つような環境」になっていないからだと思っています。

・全員出してもらえる
・勝負どころがぼやけている
・ベンチが本気で勝ちを取りにいっていない
こういう環境では、“クランチタイムの緊張感”も“本気の悔しさ”も育ちません。

そして何より不思議なのは、
ベンチ側も、負けたあとにあまり悔しそうに見えないこと。
「しょうがない」「選手が悪い」とどこかで思っているようにも見えてしまうのです。


8.親として、どうしても伝えたいこと

親として、保護者会長として、そして一人のバスケ好きとして、僕が伝えたいのはシンプルです。

「接戦で負けるのは、子どもだけのせいじゃない。
ベンチワークを見直さない限り、同じ負け方を繰り返す。」

・試合の流れを見ること
・交代のタイミングを考えること
・タイムアウトで具体的な情報を渡すこと
・勝負どころで“勝ちにいく姿勢”を見せること
これらを、指導者側も一緒に練習していく必要があると思います。

僕は、
「子どもたちには、もっと“本気で勝ちを取りにいく試合”を経験させてあげたい。
その中で初めて、本物の悔しさも、本物の喜びも、生まれてくる。」
そう信じています。


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