
競技を続けるために、子どもが地域を出ていく──部活動の地域移行で過疎地に起きている現実
部活動は「地域移行」した。
少なくとも制度上は、そういうことになっている。
けれど現場にいると、どうしても感じてしまう。
「地域移行したと言いながら、何もつながっていない」と。
私の地域は過疎地域だ。
人も、子どもも、指導者も、決して多くない。
だからこそ本来は、
少ない資源を最大限に活かす仕組みが必要なはずだった。
教育委員会に聞いた答え
教育委員会に現状を確認したところ、返ってきた答えはこうだった。
「部活動の加入率が70%あるので、現状、大きな変更は考えていない」
数字だけを見れば、確かに問題はないように見えるのかもしれない。
しかし、現場で見えているのは別の景色だ。
表で見る「数字」と「現場のズレ」
| 項目 | 数字・建前 | 現場の実感 |
|---|---|---|
| 部活加入率 | 約70% | 選択肢がなく「入っている」子も多い |
| 活動の継続性 | 一応成り立っている | 指導者・人数ともにギリギリ |
| 競技環境 | 学校単位で維持 | 学年が上がるほど続かない |
| 将来像 | 特に示されていない | 本気で続けたい子ほど外に出る |
数字上は問題がなくても、時間が経つほど弱っていく。
それが過疎地域の現実だ。
「つながっている競技」も、実はある
正直に言うと、すべての競技が完全に孤立しているわけではない。
競技によっては、無理やりだが、なんとかつないでいる例もある。
ただし、その正体はこれだ。
| 実態 | 問題点 |
|---|---|
| 特定の人が調整役 | その人が抜けた瞬間に崩れる |
| 善意・無償前提 | 長期的に続かない |
| 競技ごとの個別対応 | 他競技との差が広がる |
個人依存の連携は、仕組みとは呼べない。
校長にも相談したが、成果はなかった
以前、校長にも相談した。
「何らかの形で動いてほしい。
小さくてもいいから成果が欲しい」と。
結果は、何も変わらなかった。
校長が悪いとは思っていない。
校長には制度を動かす権限がないからだ。
行政抜きでビジネス化は不可能
「ボランティアは限界だよね」
「持続可能な形にしないと」
その通りだと思う。
しかし現実には、
- 学校施設は行政管理
- 利用ルールも行政
- 公平性・責任判断も行政
場所すら出さずに、自立やビジネス化だけ求めるのは無理がある。
一番の犠牲者は、子ども
私の息子は中学2年生。
あと半年ほどで、部活動は終わる。
制度が動かない間に、時間だけが過ぎた。
結果として感じてしまうのは、
「結局、子どもが犠牲になっただけではないか」
このままでいいのか
競技を続けるために、子どもが地域を出ていく。
地域には何も残らない。
それを「仕方ない」で終わらせていいのだろうか。
過疎地域だからこそ、
部活とクラブをつなぐ仕組みが必要なのではないか。
「地域移行」という言葉が、
ただの責任移動で終わらないことを願っている。
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