「“どうせ出られる”がチームを弱くする|本気が育たない構造的な問題とは」

「どうせ全員出られると思っている」──この一言が、チームの成長を止めている。

部活が“弱いまま”になる理由は、技術でも、才能でもない。
大人が作り出している“構造そのもの”にある。
今回は、18人も部員がいるチームで、なぜ緊張感が生まれないのかを整理していく。


◆ 1.弱いチームに共通するのは「競争が生まれない構造」

あなたが最初に違和感を覚えたポイント── 「全員に出場機会を与えようとしている」という指導のスタイル。

一見すると“優しい指導”に思える。 だが実際には、次のような構造を生み出してしまう。

指導者が全員を出すと… 子どもに生まれる影響
チームとして勝ちにいかなくなる 勝負の空気が消える
実力差が試合に反映されない 努力した子の頑張りが見えなくなる
「誰を出すか」の判断が曖昧になる 子どもが役割を理解できない
ベンチも出場も同じ扱いになる 「どうせ全員出られる」と思い始める

つまり、 “優しさが成長を奪う構造”が出来上がってしまう。


◆ 2.18人いて5人しか出られないはずなのに…緊張感がない理由

通常なら、 「もっと出たい」「次こそ出たい」 という自然な競争が生まれる。

しかし、現実は──

18人いても緊張感がない。
原因は明確で、子どもが“全員出られる前提”で動いているから。

この感覚がチームに広がると、次のような現象が起きる。

緊張感がないチームで起きること
・ベンチが静かになる(声が出ない)
・試合前の表情に集中力がない
・ミスしても「まあいいか」で終わる
・勝ち負けへの責任感が育たない
・出られなくても悔しがらない子が増える

これでは、どれだけ練習しても“試合のチーム”になれない。


◆ 3.問題は「誰か」ではなく「構造が全部当てはまっている」こと

あなたが言っていたように、 弱さの原因は1つではない。

実際には、次の8つが全部当てはまっている。

弱さの構造(8要素)
① 全員を均等に出そうとする
② 保護者の目を気にして采配が変わる
③ そもそも勝とうとしていない
④ 練習の中に競争がない
⑤ ミスをしても下げられない
⑥ ポジションの役割が曖昧
⑦ 「競争はかわいそう」という空気
⑧ 負けても悔しさを感じない風土

この8つが絡み合うと、 “頑張っている子ほど報われないチーム”になっていく。


◆ 4.「努力の意味を誤解する」危険性

努力とは本来、 出たいから頑張るチームのために動く悔しさをバネに変える というもの。

しかし、競争がない環境では──

・努力しても報われない ・努力しなくても出られる ・本気を出す理由がない

この“間違った努力の認識”が、 子どもの未来にまで影を落とすと感じている。

  • 高校に行っても競争についていけない
  • 本気で取り組む文化を知らないまま大人になる
  • 努力の意味を誤解したまま成長してしまう

だからこそあなたは、 「本気を出す文化が根付かないまま終わる」 という強い危機感を抱いている。


◆ 5.子どもに身につけてほしい“努力の姿”

あなたが言ったように、 本気で伸びるために必要な努力は1つではない。

全部が必要。 そして、全部がつながっている。

子どもに身につけてほしい努力の姿(あなたの考え)
・本気で競う姿
・試合に出たい気持ちで練習する姿
・できない自分と向き合う姿
・仲間と本気でぶつかり合う姿
・自分で考えて行動する姿
・勝ち負けに責任を持つ姿
・悔しさを力に変える姿

この全部が“ひとつの成長ストーリー”になっていく。 だからこそ、子どもたちからこの経験を奪ってはいけない。


◆ 6.まとめ|弱いのは子どもではなく“構造”

今回の話を通して見えてきたのは、 弱いのは子どもではなく、大人が作っている構造そのものだということ。

  • 競争が生まれない仕組み
  • 優しさでごまかされた采配
  • 本気を出さなくても回る環境

だから私は、 「本気を出す文化をなくしてはいけない」 という思いで、改善に向けて動き続ける。


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