
大学の入学案内が届いた日——嬉しさは一日だけ。親だけが先に“現実”へ引き戻される話
ついこの前、「合格してた!」と分かったあの日は、本当に嬉しくて、ずっとふわふわしていました。
けど、その“ふわふわ”が続いたのは、正直一日だけでした。
昨日、ポストに分厚い封筒が届きました。
娘の大学からの、入学案内一式。
封筒を開いた瞬間、嬉しさより先に出てきたのは、「あ、現実始まったな……」という感覚でした。
「10日必着」のプレッシャーと、山ほどの書類
まず目に飛び込んできたのが、太字で書かれた「◯月◯日までに本学必着」。しかも期限は10日ほど。
その日までに、
- 入学金の振り込み
- 誓約書や各種申請書の記入・押印
- 健康診断や必要書類の準備
などを全部終わらせないといけない。
仕事もあるし、家の用事もある。
思わず心の中で、「いや、短くない?」とツッコミを入れていました。
書類を一式眺めてみると、とにかく量が多い。
一枚一枚は大したことなくても、まとめてくると一気に“親のタスク”になります。
多子世帯のはずなのに……「国の制度、なんかケチくさいよな」と思った話
うちは子どもが3人います。
長男は高校卒業後に就職して、今は社会人。
だから、入学案内を見ながらふと、こんなことを思いました。
「3人育てたのは同じなのに、多子世帯の補助のカウントには入らないのか……?」
制度としては、「今、学生として在学している子どもの人数」で判定することが多いのは分かっています。
就職している子は“もう学校には通っていない”から、制度の対象外。
それはルールとしては理解できるんです。頭では。
でも、親の本音としてはこうです。
「いやいや、3人育てる大変さは変わらないし、ここまで来るまでのお金も手間も、ちゃんとかかってるんだよ」
「多子世帯って言うわりに、制度、なんかケチくさくない?」
少子化だ、子育て支援だ、といろいろ言われる時代ですが、
実際の現場にいる親としては、「数字の上だけの“支援”になってないかな」と感じることも正直あります。
見えないお金が、これからじわじわ動き出す
今のところ、実際に動いたお金は入学金くらいです。
それでも、今日その振り込みを終えたとき、心の中でひとつ区切りがつきました。
「ああ、本当に始まるんだな」
看護系の大学は、この先も“見えない出費”がたくさん出てくるはずです。
教科書、白衣や実習用の靴、ワクチン接種、実習先への交通費、国家試験の対策費用…。
頭の中でざっくりイメージはしているけれど、細かく積み上げるといくらになるのか、まだ想像しきれていません。
「今はまだ入り口に立っただけ」。
そんな感覚です。
親だけが先に“現実モード”、娘はまだ実感なし
封筒が届いてからの数日は、完全に親のターンでした。
大学の案内を読み込み、書類を仕分けして、必要なものをチェックして…。
「これはこっちに出して」「これはコピーが要るな」と、頭の中が事務処理モードになります。
一方、娘はというと、まだそこまで“入学の現実”が落ちてきていない様子。
合格できたことへの安心感はあるけれど、
書類の山を見ても、どこか他人事のような雰囲気もあります。
親のほうが先に、カレンダーとにらめっこしながら動き始めている。
これがなんとも不思議で、そしてちょっとおもしろいギャップです。
誓約書に“シャチハタ”を出してきた娘
そんな中で、ひとつ忘れられない場面がありました。
娘に誓約書への署名と押印をしてもらおうとしたときのことです。
書類を渡して、「ここに書いて、ここに印鑑押してね」と伝えたら、
娘が何の迷いもなく取り出したのは、まさかのシャチハタ。
「いやいや、誓約書にシャチハタはダメだろ!」
心の中で全力ツッコミを入れつつ、思わず笑ってしまいました。
本人は悪気はゼロで、「印鑑=シャチハタ」という感覚なんですよね。
それが“娘の中の常識”になっている。
その様子を見ながら、ふとこんな気持ちが湧いてきました。
「笑っちゃうけど、この子、まだまだ子どもなんだよなぁ……」
大学生になる準備をしているけれど、
中身はまだ“高校生の延長線上”。
そのギャップが、なんだか愛おしくて、ちょっと切なくて。
嬉しさと現実と、親としての寂しさが、全部ごちゃっと混ざった瞬間でした。
嬉しさは一日だけ。でも、それでいいのかもしれない
合格が分かった日は、ただただ「よく頑張ったな」「本当にすごいよ」という気持ちでいっぱいでした。
けど、その気持ちだけで何日も生きていけるほど、現実は甘くありません。
入学案内が届いた日から、親の仕事が一気に増える。
お金のこと、書類のこと、スケジュールのこと。
ワクワクもあるけれど、「ちゃんとやり切れるかな」という不安も、もちろんゼロではありません。
それでも、こうやって一つ一つ手続きを進めていくこと自体が、親としての“最後の仕事”のひとつなのかな、とも思います。
合格の喜びは一日で落ち着いたけれど、
そこから先の“現実の作業”を一緒に乗り越えていくことも、悪くないなと感じています。
親として、今日の自分にひと言かけるなら
入学金の振り込みを済ませて、
山のような書類と向き合っている今の自分に、ひと言かけるなら——
「ここまで育ててきたからこその“忙しさ”だよ。よくやってるよ。」
制度にモヤっとすることもあるし、
お金のことを考えると不安もゼロではありません。
それでも、シャチハタを出してきた娘を見て笑いながら、
「この子の次のステージに、ちゃんと送り出してやろう」と静かに思いました。
きっと、同じように入学案内の封筒と向き合っている親御さんも、どこかで同じ気持ちになっていると思います。
嬉しさは一日だけ。でも、その一日があったから、今の“現実”も頑張れる。
そう思いながら、今はひたすら書類と格闘中です。
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